へき地教育でのICT活用の可能性

講師:砂川 成人氏  / うるま市教育委員会 指導課 指導主事

講師:宮城 渉氏 / うるま市立津堅小中学校 教諭

講師:園 利一郎氏  / 学校法人 角川ドワンゴ学園 N高等学校

モデレ-タ-:下向依梨氏 / 株式会社roku you 代表取締役

うるま市島嶼(とうしょ)地域の中学校3校とうるま市に本校をおくN高等学校が連携し、インタ-ネットを活用した、学校間・生徒間で協同で取り組む「部活動」や総合の時間のプロジェクト学習においてICTを活用した取り組みが実践されています。
 ICTを活用した”遊び”から学ぶをコンセプトに、離島にいながらにして、他地域とつながり、課題解決や価値創造に取り組める人材を育てることをビジョンに掲げられています。

◆ 島嶼地域の課題への取り組み

島嶼地域では生徒の人数が少ないため、『子どもたちの交流の機会や課外活動の機会が限定的』『将来的な学校存続危機』『多様な考えに触れにくい』など、様々な問題を抱えています。インターネットの活用でこれらの問題を解決すると共に、地域にいながら、地域の内外と連携して課題解決や価値創造に取り組める人材を育てること、そういったノウハウがグローバル教育に繋がっていきました。21世紀型スキルプログラムを基盤とした魅力的なプロジェクト学習やネット部活動の企画、実施をされました。

◆ ネット部活・プロジェクト学習実施の中での子どもたちの変化

ネット部活の中で、子どもたちが島の良さについて語り合い、より自分の育った環境を認識し、また発信する力をつけていく様子が見られました。これらはテレビでも放送され、子どもたちからはこのような意見が出ています。

「いろいろな意見があって自分の勉強になった。相手の表情が伝わってきて楽しかった」

「最初は違和感があったがだんだん慣れてきて、普通の日課になってきている」

実は子どもたちは最初から歓迎していたわけではなかったそうです。次第に子どもたちが楽しく没頭するようになった経緯についてもお話しいただきました。

 うるま市ではMacbook Airを配布し使用しています。ここでも学校から配られた機器を「学校のもの」から「自分のもの」にする工夫がありました。「開封の儀」を行い、指紋認証を設定する。そういった一つ一つの仕掛けが子どもたちの気持ちを変えていきました。また、小学校の修学旅行での事前学習、マインクラフトでの創作活動、他校との交流学習など、使う場面をどんどん増やしていきました。

まとめ – 講師の方からのメッセ-ジ –

うるま市教育委員会 砂川氏 

「失敗してもいいからやってみよう。子どもが先生になることもある。教育に対する思考の転換も必要。」

津堅小中学校 宮城氏

「最初から教科学習を目的にするのではなく、『とりあえずやってみて』、その後教科学習に繋げていった。大人がわくわくできることをやればいい」

N高等学校 園氏

「スキルを学ぶことは大切、でもそれだけでは面白くないので楽しいことを」

株式会社roku you 下向氏

「地域にいながら世界中と仕事をする人材を育てていきたい。今日を始まりとしてこれからも続けていきましょう」

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