「言語化」をギリギリまでしない狙いとは?|未来をつくる教育フォーラムの舞台裏
11/27(土)、28(日)に開催される「未来をつくる教育フォーラム2021」を統括する下向峰子社長(日本コスモトピア)に運営スタッフがお話を聞いてみました。話はフォーラムの内容に留まらずより深いところへ…!?
今回のフォーラムでは初めて幼児教育を扱いますね。
峰子社長(以下「み」)
「幼児教育は教育の土台。この会社で学習塾の先生方と教育に関わらせてもらって以来、ずっとやりたかったテーマ。
最初に思い立ったのは確か2006年頃だったと思います。」
その頃には何か発信をされたのですか?
み「当時もWebが発達してきていて伝えることはできそうだったけど、社会の雰囲気がまだだと感じていました。その状態だと伝言ゲームのようになっちゃって正しく情報が伝わらないでしょう。この会社の本当に伝えたいメッセージがちゃんと届くイメージが湧かなかったんです。」
なるほど、でも今はそれができるような環境が整ってきたということですね。
今回のフォーラムでも「幼児教育」というキーワードは1年以上前からでていたと思います。
でも、チラシやホームページに掲載するテーマという意味で「子育ちを支える幼児教育」とかっちり言語化されたのは、つい先日でした。
み「早くから決めてしまうことは私かもしれないし、他の誰かかもしれないけど、ごく少数の限られた人の間で無理すればできたかもしれない。
そうして決めたものを無機質に進めていくこともできたかもしれない。
でも本来、根幹の部分って進めている間にも時々刻々と変化していくものでしょう。
関わっている人たちの間に「なぜだろう?」「そもそも何なんだろう?」と「?」がたくさん出てくる。
そして、それぞれが手探りで答えを探しにいく。
そうすれば答えのないものを探究する力が育つ。
実は、その様子を見ることこそが、私にとって最高の快感なんです!
最終日を迎えたときには、関わっている人それぞれの中に何かしら「こういうことだったのかな?」という想いが50%くらいは芽生えている。
そこを目指しているの。」
そもそも扱っているものも、「答えのないもの」ですものね。それをイベントで表現するには、結局こういう進め方しかないということなのかもしれません。
ところで、ちょっと話は脱線しますが、社長と「音楽」とは切っても切れない関係です。
音楽の世界でも、一つのものを作り上げていく課程で敢えて「早くから分かりやすくしてしまわない」というアプローチをとることっていうのはあるんでしょうか?
み「敢えてやるというより、そもそもそれは「予測できないもの」だからやりようがないよね。「生き物」だから。
音楽って「空間芸術」なのよね。形として残らない。
何がベストかっていつも考えるけど、結局「今この瞬間に自分ができることをやるしかない」にたどり着く。
練習していく中でも、自分の解釈が変わっていくことが当たり前のように起こる。そして、当日ステージに立ってみると、雰囲気がまた思っていたのと違ったりする。
こんなことが関わっている人の数だけ起こるし、聴衆によっても変わる。
それらをアジャストしながら、でも伝えたいことはしっかり伝えるにはどうすればいいかを考える。
これはもう「事前にどれだけ考えても正解はない」のトレーニングみたいなものよね。
だからこそおもしろいんです。」
未来をつくる教育フォーラムも音楽のステージと近い部分がありますか?
み「それはもちろんありますよ。フォーラムの場合はさらに「子どもたち」が加わる。そこから生み出される緊張感は、たまらなく嬉しいし楽しい!
これも時間と共に変化します。「空気」ですよね。
私は音楽をやってきたから、この空気の変化を感じられるのかなと思いますね。
そういう意味でフォーラムと音楽とはすごく似てると思います。」
なるほど、「空気のレベルで感じる」ですね。
そういうところを大切にしているところが、テーマを言語化するタイミングとかにも自然と表れるのかもしれませんね。
み「今は伝統芸能でも観客といっしょになって空間を作り上げていくスタイルにシフトしてきていますよね。私もそっちの方が楽しいと感じます。
「一方的に与える」より「いっしょに作る」。
理路整然と全部伝えてしまうよりは、参加する側も考える余白があった方がいい。
せっかくうちの会社がやるイベントなのだから、そういうところを大切にしたいですね。」
なるほど~!
運営側で日々翻弄されている私からは到底見えないところのお話が聞けました。
そろそろお時間が来ましたので現場に戻ります。今回はありがとうございました!
み「ご参加いただく皆さまといっしょに「未来をつくる教育フォーラム2021」を作り上げていきましょう!」