開催報告⑤パネルディスカッション 「より良い幼児教育を目指して 」

「未来をつくる教育フォーラム2021」は、「子育ちを支える『幼児教育』」をテーマとし、11月27日(土)、28日(日)にオンラインにて開催しました。
多数の方々にご参加いただき、意見の交換や考えの共有をすることができました。

ここでは、当日のプログラムを振り返っていきます。
今回は、パネルディスカッション「より良い幼児教育を目指して」 をお伝えします。
パネリストとして、ピリヨ・サレルヴォ氏、ヒルトゥネン 久美子氏、徳留 由貴氏、石原 侑美氏、下向 峰子氏をお迎えしました。


すべての人に平等な教育を提供するフィンランド。
そんなフィンランドの“個”を大切にする教育は、“幼児教育”から始まっています。
フィンランドの幼児教育を学び、日本の保育における課題解決の道を探ります。5名のパネリストの熱い議論が繰り広げられました。

ピリヨ氏
「大学の研究は社会にとっても保護者にとっても新しいことを始めるエビデンスとなり、実践に繋げられる。」
「世間やマスメディアなどコメントが気になるかもしれないけど、その時にエビデンスがあると良い。」
「やってみたいことはたくさんあるけど一人では難しい、と諦めないで!ネットワークで仲間を作って、リラックスして前に進めるといいですね。」

久美子氏
「フィンランドは個人主義と言われているがそれは自分だけが良いという考え方ではない。集団として自分をはめていくわけではなく、自分がどうなのかのそれぞれの違いを理解している。」
「何のために保育があるのか立ち返って、愛があるかを確認。」

徳留氏
「日本とフィンランド、教育で大事にしているところは共通しているなと思いました。その中で、保育の場がフィンランドでは法で義務化されているところが驚きでした!」
「子どもたちが明日も保育園に行きたいと思えることを大事にして保育を作っていきたい。」

石原氏
「フィンランドと日本の幼児教育は共通点が多いが、前提が違う。フィンランドでは、エビデンスは何?と聞かれることが多く大事にされている。また現場と大学のキャリアを行き来することが一般的です。」

下向氏
「日本とフィンランドでは幼児教育については目指すところは同じなのに、スピード感が違う。日本はもっと頑張らないといけないですね。」
「知識は与えるものではない。子どもの声を聞くことが重要。」
「幼児教育における成果とは自分は自分であって他の誰でもないという意識=自分を肯定するということ。」

参加者から質問があるとすぐにパネリストにお答えいただいたり、チャットで共感や賛同の意見が飛び交い、まさに参加者も交えて共感の渦が起こっていました。
ひとりで何かを変えることは難しい、でも仲間を作って一歩を踏み出すきっかけになると強く感じられるパネルディスカッションでした。
今後も、お互いに対話を続けて、つながりを大事にし、未来を一緒に考えていきましょうという下向氏の呼びかけで幕を閉じました。


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